さいれんとないと

  私は何故ここにいるのでしょう。私は何がしたかったのでしょう。
今、温泉宿の部屋でこれを書いてます。

  「クリスマスイヴにひとりで温泉なんて、いいなあ、渋いなあ」といわれてしまいま す。能登半島、和倉温泉。イヴに男ひとり。日本海を見る。 本当にひとり?とか言われてしまいますが、本当にひとりです。

  楽器とCD購入以外には、金も時間も使いたくない私のようなケチが、何故ひとり旅? 生まれてこの方、そんな突拍子もない事をするのは初めてです。 実はマイレージのマイルが貯まって、飛行機で日本中どこでも行ける特典が今年いっ ぱいだったので、もったいないから使いました。もったいないという発想は、やっぱ りケチだったということですな。

  仕事では旅慣れております。今月も札幌と博多に行ったし。夏には夫婦で南の島に行 くのも恒例なんですが、ひとりってのは初めてで、まことに変な気分ですな。旅って そもそも何なんだろう。わかんないけど、この変な気分を味わうってのが旅なんだろ か。

  羽田に行ってコンビニサンド買って、飛行機に乗って小松空港に着いて、そんなこん なは普段やっていることなので、変な気分にもならないです。が、バスで金沢に着い て、興味も無いけど武家屋敷跡とか、観光客がウロウロしてるあたりを歩いてみると、 ガゼン変な気分になってくるものですな。馬鹿馬鹿しいことに気分が乗る感じ?自分 がよそ者である気分?ソガイカン?不在感?無駄、つまりゼータクってこと?

  ま、でも、あんまり寂しいのも如何なものかと思うので、今回、輪島の石畑夫妻を訪 ねるという旅でもあったのです。彼は私より年長のオジサンで、漆器を製作する人で、 5年前に輪島で「あがた森魚と鈴木慶一のコンサート」を主催したスタッフの一員な のでした。その時に私ひとり泊めてくれて、歓待していただいたのです。今回も金沢 まで迎えに来てくれて、夜は御自宅で、寒ブリなどなど歓待していただきました。酔っ ぱらってしまった。何だか喋りまくってしまった。よく覚えてないけど。

  翌朝、つまり今朝ですけど、輪島の朝市に連れてってもらい、ひものなどを買って、 輪島駅に送ってもらうのですが、驚いたことに線路が無い。鉄道が廃止されて、交通 手段はバスだけになっていた。 1時間ちょいで和倉温泉に到着して、宿さがし。大胆にも宿を予約して来なかった。 温泉街というよりは、巨大旅館やホテルが海辺に立ち並ぶ町でした。歩いている人は ほとんどいない。みやげもの屋も無い。冬はここへ来る人はほとんどいない。

  泊まる場所にもこだわりは無いのだが、ホテルじゃ意味ないし、汚いのは嫌だ。
歩き回って目星を付けて「はまなす」という小さな旅亭に入る。
「ここは、おいくらですか?」
「1万5千円です」「うーん、どうしようかなあ」「御予算は」「1万円なんですけど」「じゃそれで結構ですよ」
値切っちゃったよ。図々しい。
近くに総湯という大浴場があって、地酒と湯豆腐が付くというので行ってきました。
くじ引きで、ガラガラ回したら赤い玉が出て、当たりましたということで、魚の干物をドッサリもらいました。イエイ。明日から毎日焼いて食べますとも。

  旅で悲しいのは雨ですけど、やっぱり雨ふりました。しかも、雷雨。今のところ雨の時間をうまく避けて歩いているけど、明日は90%雨なんだよなあ。明日は明日の雨が降る。

  今、何時だろうと携帯を開けて見ると、AM1:45。待ち受け画面が三太さんになっていた。メリークリスマス。

2002.12.25